
年末が近づくと、ふと通帳の残高や今後の暮らしが気になりませんか。特に70歳代は、年金と貯蓄のバランスが家計の安心感を左右します。数字を「知っているつもり」から一歩進めて、平均・中央値・分布まで押さえると、わが家の見直しポイントがぐっと見えやすくなります。
数字で見る、70歳代の貯蓄のリアル
ここではJ-FLECの「家計の金融行動に関する世論調査(2024年)」を手がかりにします。全国5,000世帯を対象に、2024年6月21日~7月3日にインターネットモニターで行われた調査です。同じ70歳代でも差が大きい、という前提で読むのがコツです。
平均値と中央値、どちらを見る?
貯蓄の話で大事なのは、平均値だけで判断しないこと。平均は一部の高額世帯の影響を受けやすく、実感とズレることがあります。なお、ここでの貯蓄額には、日常の出し入れに備える普通預金残高は含まれない点も覚えておきたいところです。
まず押さえたい2つの代表値
70歳代・二人以上世帯の貯蓄は、平均と中央値で見え方が変わります。差が大きいほど、家計の姿が一枚岩ではないサインです。
| 指標 | 貯蓄額 |
|---|---|
| 平均 | 1,923万円 |
| 中央値 | 800万円 |
正直、平均1,923万円だけを見ると「うちは足りないのかな」と胸がざわつきます。でも中央値800万円まで並べると、空気感が少し変わるんですよね。数字は、比べ方で受け取り方も変わります。
貯蓄の分布:二極化がはっきり
次に、貯蓄がどのゾーンに多いのかを見ます。ポイントは、金融資産非保有が20.8%いる一方で、3,000万円以上も19.0%あること。まさに二極化です。
- 金融資産非保有:20.8%
- 100万円未満:5.4%
- 100~200万円未満:4.9%
- 200~300万円未満:3.4%
- 300~400万円未満:3.7%
- 400~500万円未満:2.3%
- 500~700万円未満:4.9%
- 700~1,000万円未満:6.4%
- 1,000~1,500万円未満:10.2%
- 1,500~2,000万円未満:6.6%
- 2,000~3,000万円未満:8.9%
- 3,000万円以上:19.0%
- 無回答:3.5%
私自身の感覚では、老後の話って「平均はいくら?」と聞きたくなるのに、いざ分布を見ると黙ってしまいます。だからこそ、まずは自分の立ち位置をこの分布のどこに置けるか、静かに確認するのがいちばん現実的だと思います。
平均は“景色”で、中央値と分布は“地図”。迷ったら地図を見る。
年金の目安も一緒に並べて考える
貯蓄だけでなく、収入の柱である年金も目安を知っておくと整理しやすくなります。厚生労働省資料では、2025年度のモデル年金(月額)は約23.3万円(夫婦の基礎年金+夫の厚生年金の標準像)。また、2025年度の老齢基礎年金(満額)は1人分で月額69,308円とされています。
わが家に落とし込む、見直しのコツ
大切なのは、「平均と比べて多い・少ない」で終わらせないことです。中央値を基準にしつつ、わが家の固定費、臨時出費の頻度、取り崩しのペースを紙に書くだけでも、家計のクセが見えてきます。数字は冷たいようで、実は暮らしを守る味方でもあります。
最後は、老後資金を不安の材料にするのではなく、家計管理の軸として扱うこと。平均と中央値、そして分布をセットで眺めると、貯蓄計画はもっと現実的になります。みなさんの「数字との付き合い方」も、よかったらコメントで教えてください。
FAQ
- 平均1,923万円より少ないと、すぐ困りますか?
平均は一部の高額世帯の影響を受けやすいので、まずは中央値800万円や分布と合わせて自分の位置を確認するのが現実的です。 - 「金融資産非保有」20.8%は、預金がまったくないという意味?
ここでは金融資産を保有していない区分を指します。日常の出し入れ用の普通預金残高は、貯蓄額の集計に含まれない前提もあります。 - 年金23.3万円は、誰でももらえる金額ですか?
約23.3万円は夫婦世帯の「モデル」の目安です。加入状況や働き方などで受給額は変わるため、目安として位置づけて考えるのが安心です。






















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